中西優(なかにし・まさる)
1982年京都府生まれ。
執筆業務、ホームページ制作やSNSの立ち上げ・管理、Web集客のアドバイス業務などの経験を経て、2015年に出張撮影専門のフォトグラファーとして独立。
石川県金沢市を拠点に北陸周辺で、雑誌・ホームページ作成の際のインタビューや取材撮影・イベント記録など企業向けの出張撮影を展開している。
また写真教室を企画し、これまでの参加者数は400人を超える。
HP: https://ms-photography77.com
はじめまして、石川県金沢市を拠点に北陸周辺でフリーランスのカメラマンをしている中西優(なかにし・まさる)です。
今回こちらで「ポートレート(人物写真)撮影テクニック」について書かせていただきます。
私は雑誌やホームページに掲載されるインタビュー写真、素材写真の撮影を中心に仕事をさせていただいていますが、定期的にモデルさんを募集してポートレート撮影も行ってきました。
ご協力いただいたモデルさんは約100名になります。
これまでの経験上、ポートレート撮影において「準備をしっかりすること」がかなり重要だと感じています。
今回はポートレート撮影テクニックの中でも「どんな準備をすればいいか」という点に絞って書かせていただきます。
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いい写真が撮れるかは準備で決まる
「いいポートレート写真を撮れるかは準備で決まる」と言っても過言ではありません。
ポートレート撮影の流れを大まかに書くと次のようになります(場合によっては前後しますが)
- モデルさんを探す
- 撮影場所(ロケ地)を決める
- モデルさんとの打ち合わせ(イメージ・服装・注意事項など)
- 撮影
- アフターフォロー
次からはそれぞれの項目について詳しく見ていきたいと思います。
①モデルさんを探す
ポートレート写真の出来を決める大きな要因として「撮りたいイメージに合ったモデルさんを探せるか」という点が挙げられます。
モデルさんを探す方法としては大きく分けて
- 自分で探す
- 撮影会などに参加する
の2つがあると思います。
今回は「自分で探す」方に絞っておススメの探し方をご紹介します。
まずは周りの友人から&作品作り
最初のころにおススメなのが、友人や知り合いの人にお願いして撮ったり、撮られたりしながらスキルを上げ、かつ作品作りもしていこうという方法です。
カメラを趣味とする人も増えてきましたので、身の回りでカメラマンやモデルをお願いできる可能性のある人はかなり増えているのではないでしょうか?
その中でできれば自分のホームページ・SNSなどで写真を掲載させてもらえる人が見つかると次の段階に進みやすくなります。
撮った写真を公開して、ポートフォリオ(作品集)を作る
撮影した写真がある程度増えてきたら、ホームページやSNSで発信するようにします。
僕の経験ですと写真を中心に交流しやすいInstagramとTwitterの効果が高いように感じます。
できれば複数のSNSで発信するとモデルさんの目にも止まりやすくなります。
またSNSと同時にホームページ型のポートフォリオサイト(ギャラリーサイト)を作ることもおススメします。
SNSだと発信は簡単ですが、過去の写真が見にくかったり、分類が難しいからです。
最近ではWixやJimdoなど特別な知識が無くても無料でホームページが作成できるサービスも充実しています。
もしlightroomやPhotoshopを使っている方なら、無料で使える「Adobe Portfolio」もオシャレで使いやすいサービスです。
撮影の条件を明確にしておく
モデルさんにお聞きしたところ、撮影依頼を受けるにあたって①カメラマンさんのプロフィール②どんな写真を撮ってきたのか③撮影の条件―を知っておきたいという声が多くありました。
ポートフォリオサイトの中に簡単でいいので、プロフィールをまとめておくようにしましょう。
撮影の条件とは「撮影した写真の使い道」「撮影にかかる費用やモデル代のこと」など注意事項のことです。
後の打ち合わせのところでも触れますが、ポートフォリオサイトの中にこれらの事項をまとめたページを作っておくのがベストです。
僕の場合はモデル募集用の特設ページを作り、応募フォームから必要事項を送信していただくようにしています。
その際にページ内にある注意事項に一度目を通していただき、了解をいただくようにしています。
②撮影場所(ロケ地)を決める
次の準備として撮影場所を決めます。大きく分けると室内か室外に分かれます。
まずは自治体ホームページや観光サイト、スタジオなどを借りる場合はレンタルスペースの一覧サイトなどで大まかな候補を絞ります。
ポートレート撮影で人気がある自然の中での撮影の場合、観光協会のサイトが役に立つことが多いです。
大まかに候補を絞ったら、ホームページやSNSで現在の状況を確認します。
特にInstagramやTwitterは最新の情報が確認しやすいのでおススメです。
撮影や掲載の許可の確認は忘れずに
撮影場所の候補が決まったら必ずやっていただきたいのが、撮影時の注意事項や撮影申請が必要かを確認することです。
場所によってはインターネットなどへの掲載に申請が必要な場合もありますので、掲載を考えている場合は確認しておきます。
場所によっては三脚や照明機材など他の利用者の迷惑になるものが使用できない場合もありますし、最悪の場合は管理者から撮影の中止を求められるなどトラブルにつながることもあります。
ひいてはその場所自体が撮影禁止になってしまうこともあり得ます。
気持ちよく安心して撮影したり、写真を掲載できるよう事前に管理者に確認する作業を忘れないようにしましょう。
できれば下見、難しい場合はバーチャル下見をする
撮影場所の候補がいくつかに絞れたらできれば下見ができると安心して撮影に臨めます。
下見では次のようなポイントを重点的に確認します。
- 撮影に使えそうな場所、背景
- 光のあたり方や向き
- 休憩場所やお手洗い
- 雨対策
快適に撮影を進めるために意外と重要なのが、休憩場所やお手洗いの確保と雨対策です。
特に近くにカフェなどがあれば、モデルさんが安心して衣装替えやメイク直しができますし、雨が降ってきても室内で撮影できる可能性もあります(撮影が可能かは事前に確認しましょう)
一番理想なのは現地に下見に行けることですが、遠方であったりスケジュールが合わないと難しいと思います。
そこでおススメしたいのがインターネットを駆使して下見をする「バーチャル下見」です。
場所探しのところで紹介したInstagramやTwitterなど速報性のあるSNSで状況を確認しつつ、ライブカメラやGoogleマップのストリートビューなどを使って現地の建物の向きや道の状況をイメージします。
最近では太陽の動きをシミュレーションしてくれるアプリなども出ているので、ストリートビューと組み合わせると撮影予定日時の光のあたり方も予想しやすくなってきました。
スタジオなどレンタルスペースを借りる場合の下見では、事前に利用規約や注意事項をよく読み、撮影内容に応じて次のような点を確認します。
- スタジオ内の照明の位置、備え付けの機材
- 持ち込んで使用しても良い機材
- 電源の位置と電源が使用可能か
- お手洗いや着替えスペースはあるか
このほか利用後の片付けの方法や汚れ・破損が発生した場合の補償について確認しておくと安心です。
あらかじめ撮影イメージや使用する機材・小道具が固まっている場合はそれらを伝えて管理者の判断を仰ぐようにするとより安心です。
③モデルさんとの打ち合わせ
撮影場所の候補が決まったらモデルさんとの打ち合わせに入ります。
打ち合わせでは撮影の全体的なイメージを共有して、服装・メイクや撮影の時間帯を決めていきます。
集合場所や交通手段、写真の受け渡しや掲載の仕方など事務的な点も確認しておきます。
撮影のイメージを共有する
まずは全体的な撮影のイメージ・テーマを決めておくと後の服装・メイクの決定、撮影場所の最終決定がスムーズにいきます。
言葉のみだとイメージがずれることがあるので、過去に自分が撮影した写真や他の人が撮影した参考写真(インターネットや雑誌などから)をもとに決めていくとイメージのずれを少なくしやすくなります。
服装やメイクを決める
撮影のイメージが固まったら服装やメイクを決めていきます。
基本的には撮影場所の中で被写体が映える色・形を基準に選びますが、モデルさんの私服から準備してもらう場合は無理の無いようにおススメの服を選んでもらうのがいいと思います。
服やメイク・ヘアセットは、①モデルさんに自分で準備してもらう②レンタル・購入したり、美容室などに依頼する―の大きく2つに分けられます。
①は費用はほとんどかかりませんが、凝った衣装やヘアセット・メイクにするのは難しいことが多いです。
②はイメージによってはそれなりの費用がかかります。
モデルさんが持っている衣装や自分でどんなヘアアレンジ・メイクができるかを聞いて、予算とのバランスを見ながら決めていくといいでしょう。
集合場所と時間、撮影時間、交通手段などの確認
撮影当日の流れも忘れずに確認しておきます。
集合場所と時間、撮影時間、交通手段といった大切な点はメッセージなどの形に残る形で記録しておくと安心です。
特に待ち合わせ場所は分かりにくいこともあるので、地図アプリを活用して間違わないように確認しておくのがいいです。
このほかモデルさんにお聞きしたところ次のような点があらかじめ分かると安心だそうです。
- 衣装直し、メイク直しができる場所があるか(休憩場所も含めて)
- だいたいの撮影時間
- 撮影場所の足元の状況(履いてくる靴を決めるため)
写真の受け渡し、公開について
撮影した写真の取り扱いについても打ち合わせの段階で決めておくと安心です。
先に紹介したポートフォリオサイトであらかじめ、撮影した写真の掲載方法について触れておき、打ち合わせの段階で再度確認するようにしましょう。
写真の受け渡しはデータ便やSNSのDM、LINEのアルバム機能などの中から使いやすいもので行います。
確実に相手に届くようにどの方法が良いのか事前に確認しておきましょう。
かかる費用の負担について
ポートレート撮影では、モデル代orカメラマン代をはじめ、衣装やメイク、交通費・飲食代などいろいろな費用がかかります。
モデルとカメラマンがどんな割合で費用を負担するのか(相互無償というパターンもあります)は様々なパターンがありますので、打ち合わせの段階で最終的に確認しておきましょう。
撮影日直前・当日
撮影日が近づいたら当日使う機材や小道具、その他必要なものについてもう一度確認します。
予備のバッテリーや記録メディア、機材の電池などは残量を確認し、念のため複数の場所に分けて持っていくとトラブルを回避しやすいです。
外での撮影では暑さ・寒さ対策、虫対策などにも気を配れるとスムーズに撮影を進められます。
夏は飲み物や虫よけスプレー、冬はカイロや上着を念のためカメラマンが準備してあげるといいと思います。
荷物置きや汚れ対策で敷き物やタオルが準備できるとさらに安心です。
天気予報の確認も忘れずに行います。
最近では数時間ごとの天気予報や雨雲の動きが分かるアプリもありますので、その情報をもとに移動の仕方や雨対策を考えておきます。
撮影前日か数日前には念のため、集合場所や時間、緊急連絡先、そのほか必要な事項を文章にまとめてモデルさんと共有しておきましょう。
アフターフォロー
撮影が終わってモデルさんと写真が共有出来たら一安心ですが、次の撮影に向けてアフターフォローをしておくのも大切です。
アフターフォローには次のようなものがあります。
- モデルさんヘのお礼
- ロケ地をデータベース化する
- ポートフォリオを充実させる
モデルさんヘのお礼
できれば撮影が終わった日と写真をお渡しする時の2回でお礼を伝えると良いと思います。
撮影直後は時間を取ってもらったことへのお礼や暑さ・寒さの中で頑張ってもらったことへの労いを伝えます。
写真をお渡しする際には、良かった点や自分のおススメの写真などを伝えるといいと思います。
もし撮影の進め方や撮影した写真についての評価、改善点が聞ければ次からの参考になるので、聞いておくといいでしょう。
ロケ地をデータベース化する
次回以降に同じ撮影場所を使うこともよくあるので、データベースを作っておくのもおススメです。
僕はGoogleマップのマイマップ機能でまとめています。
場所のデータとともに、撮影した写真と時間、光のあたり方などを記録しておくと次回からの撮影をスムーズに進められます。
ポートフォリオを充実させる
撮影した写真はホームページ・SNSなどに掲載する方が多いと思いますが、合わせて定期的にポートフォリオの写真も見直すようにしましょう。
写真のイメージ(明るい、暗い、カッコいいなど)や季節感を意識しつつ、見る人が分かりやすいように定期的に全体のバランスを見直しましょう。
まとめ
ポートレート撮影について「準備編」ということでまとめさせていただきました。
ポートレート写真はイメージに合った撮影場所とモデルさんの協力があって初めて成り立つものですので、そこが難しく逆に言えば「一緒に作り上げる楽しさ」を感じられるものだと思います。
今回の記事がみなさんのポートレート撮影ライフの参考に少しでもなれば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。
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