ウェディングフォト(結婚式の写真)

【プロが執筆】フォトウエディングとは?最大限に引き出すポイント

【この記事を書いた人】
Mako
1989年生まれ栃木県出身 20代に友人のススメで購入したカメラで、友人の結婚式を撮影した際、友人の笑顔を写真に残すことに感動を覚える。
その後、ブライダルフォトグラファーに弟子入りを志願し、現在は婚礼撮影の他にもカップル・ファミリーの撮影、オンラインにて写真講座を開講している。
自然体かつ楽しい雰囲気の写真が得意。
また、主にInstagramを用いて、写真の撮り方やLightroomに関する情報発信を行っている。
Instagram:https://www.instagram.com/mako.183
ポートフォリオ:https://mkami0t1213.wixsite.com/makography

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フォトウエディングとは

フォトウエディングとは結婚式を挙げずに写真撮影のみを行う結婚式のスタイルです。

昨年から拡がるコロナウイルスの感染により、結婚式の開催は例年よりも減少傾向ですが、結婚式が減少傾向の中でも「ウエディングドレスを着て写真を撮りたい」「式はお金がかかるから写真だけでも撮りたい」という声は、多く寄せられており、手軽に撮ることが出来るフォトウエディングの需要は増えつつあります。

また、ご結婚される方々は減少傾向ですが、再婚される方々は増加傾向であるため、フォトウエディングが増えている理由のひとつとなります。

今回、婚礼カメラマンとして現場で撮影している私の「洋装前撮りとしてのフォトウエディング」について、撮影テクニックというよりも意識して取り掛かっていることを中心に執筆させて頂きます。

撮影時に留意すべきこと

フォトウエディングでは普段の撮影とは異なり、いくつか留意すべき点があります。

ご依頼された方の意図をくみ取りつつ撮影に臨む必要があります。

今回は新郎新婦のおふたりを撮影する際、留意すべき点を記事として挙げさせていただきました。

① お客様はプロのモデルではない

当たり前ですが、新郎新婦のおふたりはプロのモデルではありません。

普段から大きなカメラを向けられて、何百枚も写真を撮られるという経験はない方がほとんどだと思います。

女性は写真を撮ることは好む傾向ですが、男性は比較的写真に写りたがらないことが多いです。

そのため、撮影の際には緊張により、肩の力が入ってしまうことや表情が硬くなってしまうことはよくあることだと思います。

その際に、ご自身の状態を客観的に見て気づくことは結構難しいと思います。

そういった場合、撮影中に新郎新婦の姿を客観的に見ることが出来るのは、カメラマンやヘアメイクなどの第三者となります。

どのように立てば格好良く見えるか、手はどこに位置させればいいのか、視線はどこに向ければいいのかなど、こちらで誘導してあげることが必要となってきます。

② 新婦優先に撮る

フォトウエディングの撮影において、被写体となるとのは新郎新婦になります。

しかし、そのふたりいる被写体の中でも、どちらを優先的に撮影するかというと、それは「新婦」になります。

新郎新婦のおふたりが主役と言えど、男性よりも女性の方が結婚に対する想いが強い方がほとんどで、フォトウエディングに関しても女性の方が積極的に情報収集や小物作り、撮影に臨まれる方が断然多いです。

そして、男性はご自身の写りをそこまで気にされる方はいらっしゃいませんが、女性はご自身の写りをとても気にされます。

可愛く撮れているか、腕が太く見えないかなど、常に新婦の写りを気にしながら、新郎よりも新婦を優先的に撮影する必要があります。

どのように写っているか、新婦に撮れた写真をその場で確認するのも有効です。

撮影枚数も新婦の割合が多くなるように撮影に取り掛かると良いと思います。

③ ピント優先

これはフォトウエディングに限らずですが、人は写真を見る際に何を最も重要視すると思いますか?

それは“ピント”になります。

ご自身の顔、特に瞳にピントが合っているかピントに関しては、写真に知識がない方でも、ピントが合っているか否かは分かると思います。

そして、ピントが合っていないと失敗写真と判断されてしまい、クレームの対象となってしまいます。

描写にキレがあるかないか、背景のボケ味がどうこうというフォトグラファーのエゴよりも、まずピントが合っているかどうかが重要となってくるため、ピント優先で撮影に臨みましょう。

④ 距離感を大事にする

写真を撮る際に、気にかけていただきたいのは新郎新婦おふたりの距離感です。

新郎新婦おふたりの距離が近ければ近いほど、出来上がった写真としては、とても仲が良く幸せそうに見えます。

普段からとられている心地良い距離感も良いですが、写真にした際には距離が少し離れている様に見えてしまうことがあります。

一生に一度のフォトウエディングですので、思い切って近づいていただくことで、新郎新婦おふたりの照れた姿なども写真に残せると素敵ですね。

新郎新婦と衣装の魅力を最大限に引き出すポイント

前撮りの際、普段着なれないウエディングドレスやタキシードで動きにくい他、緊張によりどうしてもご自身の姿勢や表情にまで意識が向かないことが多いです。

お客様からも「前撮りの依頼をしたはいいけど大丈夫かしら…」「私たちでも綺麗に撮ってもらえるのかしら…」と、不安を抱えながら撮影当日を迎える新郎新婦は多くいらっしゃいます。

そのような不安を払拭するためにも、前述した客観的に見ることが出来るカメラマンからの声掛けが、とても重要となってきます。

私が前撮りにおいて、普段から意識している新郎新婦おふたりと衣装の魅力を最大限に引き出すポイントを、いくつか述べさせていただきます。

(1)新婦が綺麗に見えるポージング

① 胸を張る

姿勢が良いというのは凛々しく素敵に見せることが出来ます。

当たり前ですが猫背だと綺麗には見えません。新婦には胸を張っていただき、姿勢を正してもらうことで、女性らしさでもあるバストが強調されます。

しかし、胸を張ることで肩をすくめてしまったり、顎が挙がったりしてしまうこともあるため、その際は肩の力を抜いていただくなと、声をかけてあげるようにしましょう。

② 腰をひねることでくびれを作る

写真に残すとなるとご自身の写りがとても気になりますよね。

前述しましたが、特にご自身の写りを気にされる女性は多いです。

新婦を正面もしくは真横から撮ってしまうと、体の幅が顕著に出てしまいますので、新婦には少し腰をひねる様に指示を出します。

腰をひねることで腰回りにくびれが出来て、少しほっそりとした印象で写真に残すことが出来ます。

③ 目線を落とす

撮影している間、目線をどこに向ければいいか困る方って多いと思います。

そういった際は、首を少しひねり、目線を斜め下方向へと落とすことで、首筋が綺麗に見えて女性のしおらしい穏やかな表情を引き出せる他、緊張感を緩和させることもできます。

また、目線を落とす際は、同時に口角をほんのり挙げるようにすると、より優しい印象になります。

ただし、首を動かす際は、顎を引きすぎて二十顎にならないように注意しましょう。

④ 手の位置

撮影中に新婦はブーケを持っていることが多いです。

両手でブーケを持ち胸の前で抱えるのも素敵ですが、片手でブーケを持つことにより空いたもう片方の手で、新郎の腕を組んだりすることで、バリエーションを増やすことが出来ます。

(2)新郎が格好良く見えるポージング

① 胸を張る

新婦同様に胸を張ることで姿勢がよくなります。

特に男性だと胸を張ることで男らしく、紳士的に見えます。

② 肘を軽く曲げポケットに親指を入れる

肘を軽く曲げることで体を大きく見せることが出来、ガッチリとした印象になります。

そして親指はスラックスのポケットに引っ掛けることで格好良い印象となります。

③ 手の位置

新婦とは異なり、新郎はアイテムを持つことが少ないため、手の位置に困ることも多いと思います。

その際は、新婦の腰に手を添えたりや肩を抱きかかえる、手を差し伸べるようにリードする等の指示をすると、女性を守っているような雰囲気が出て、バリエーション多く撮ることが出来ます。

④ 両踵を合わせて爪先を逆ハの字に広げる

普段の立ち方ですと踵が離れてしまい、フォトウエディングの様な特別感を出しにくくなってしまいます。

そのため、両踵を合わせてつま先を逆ハの字に広げることで、紳士的な印象を与えることが出来ます。

Ⅳ.声掛けのポイント

フォトウエディングとして型物写真は必要とはなりますが、基本的に私は撮影の際にカメラ目線をお願いすることはほとんどありません。

写真を撮られている、他の人に見られているという意識を外すために、私の方から指示を出すことが多いです。

例えば、新郎新婦のおふたりに「晩御飯何が食べたい?」「今度の休み何をする?」などと、普通の会話をするようにお願いしております。

そうすることで、写真を撮られている意識を外すことが出来、自然な姿で撮ることが出来ます。

Ⅴ.押さえておきたい写真例

① 全身ショット

フォトウエディングでは、新郎新婦の選んだ高級な衣装となりますので、全身を写した写真は忘れずに残しておきましょう。

撮影の際は正面からだけではなく、新婦の場合はトレーンの長さや刺しゅう、ベールがとても綺麗なため、後ろ姿も残してあげましょう。

その際の注意点としては、新郎新婦おふたりの距離はつめていただき、また衣装の崩れはないかどうかなどアテンドの方と共に気を配る様にしましょう。

② 見つめ合う

カメラ目線ばかりの写真だと、普段のような自然な表情を見せることが出来ず、表情もぎこちなくなってしまいます。

また、新郎新婦のおふたりも疲労も溜まってきてしまう可能性があります。

新郎新婦のおふたりがリラックスした自然な表情を見せることができるのはどういった時でしょうか?

それは、カメラマンに対してではなく、やはり傍にいるパートナーですよね。

型物のカチッとした写真も素敵ですが、自然な表情をしている新郎新婦おふたりの写真も残してあげると、とても喜ばれると思いますよ。

③ キスショット

結婚と言えばこれ!でもキス写真って撮られるの結構恥ずかしいですよね?

そんな時はブーケなどで隠しながら撮ることで、恥ずかしさもなくおしゃれに撮ることができます。

その際は、新郎がブーケを持ち新婦は新郎の胸の中に手を当てることで、ドラマチックな写真に仕上がります。

④ ノーズキス

新郎新婦おふたりのお鼻をくっつけることで、自然と距離が近くなります。

ただ単に見つめ合うよりも、どこまで近づけばいいか明確なため、比較的取り掛かりやすいかもしれませんね。

普段行うことのない鼻チュー写真は照れてしまうかもしれませんが、それもまた素敵に撮ることができます。

もし、照れてしまってどうしようもない際は、目をつむることでもまたドラマチックに撮ることが出来ますよ。

⑤ 引き構図写真

ご自宅に飾られる写真を考えた場合、自分たちがアップに写った写真を飾られているおうちってあまり聞かないですよね?

最近では、引きの構図で撮った絵画のような写真の方が、ご自宅で飾りやすくていい、というお声も聞かれたりします。

ふたりの表情だけではなく、どんな場所でどんな天気で前撮りを行ったのか、残してあげると喜ばれると思います。

また、引き構図で撮影する際には、新郎新婦おふたりの配置も考えて色々と変えながら撮影すると、ストーリー性も生まれてバリエーション豊かに撮ることが出来ると思います。

⑥ パーツ写真

新郎新婦おふたりのお顔が写っている写真だけではなく、お顔が写っていない写真も撮影しておきましょう。

普段履くことのないヒールやお気に入りの靴など、撮影しておくと結構喜ばれたりします。

また、新婦様だとヘアアレンジをお願いすることがほとんどです。

ご自身では出来ないようなヘアアレンジも撮影しておくととても喜ばれます。

自分たちの顔が写っている写真を見せるのには抵抗がある方などは、お部屋に飾ったりSNSに投稿したり、結婚式に使われるペーパーアイテムなどにも使いやすいため、撮影しておきましょう。

⑦ アイテム写真

最近では、前撮りの際に一緒に使いたいアイテムをご持参される方も増えています。

手作りのブーケやブーケの上で手を重ねた指輪写真などは、残してあげるととても喜ばれます。

枯れない思い出を写真に閉じ込めておきましょう。

Ⅵ.さいごに

今回は、洋装前撮りとしてのフォトウエディングにおいて意識しておくべきことを中心に記事にさせていただきましたが、いかがだったでしょうか?

カメラマンとして綺麗な写真に残すことは当たり前なため、「綺麗な写真だね」よりも「あの時の撮影とても楽しかったよね」「こんなこと話したよね」などと、後になって思い出が蘇るような写真を撮れるのが一番だと私は考えております。

1日の中での撮影とは言え、新郎新婦様の一生に一度の機会であるフォトウエディングです。

その一生に一度の機会に、携われたことを誇りに持ち、素敵な写真を残せて挙げられたらいいですね。

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